「道ばたで見つけた小さな花を、ずっと残しておけたらいいのに」
「この可愛い花、レジンで固めてアクセサリーにできるのかな?」
そんなふうに思ったことはありませんか?
自然の中で見つけた野花や、ちょっとした記念の日にもらったお花。
その一瞬の美しさを、レジンで封じ込めて形にできたらとても素敵ですよね。
でも実際にやってみると
「気泡が入ってしまった」「花の色が滲んでしまった」など、うまくいかないことも多いのがフラワーレジンの難しいところです。
この記事では、ドライフラワーをレジンで美しく封入するための基本とコツを、初心者にもわかりやすくステップで解説していきます。
自然の花の魅力をそのまま閉じ込めて、思い出に残る作品を作りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

40代、花屋勤め兼レジン作家。
幼少より花好きで25年以上花屋兼植木屋に勤める。
レジンの魅力と出会ってからは主にドライフラワーを使ったお花のレジン、ウッドレジンを使った作家活動を開始。
もっとハンドメイドを楽しむ方が増えればいいなと思いながらブログを綴る。詳しいプロフィールはこちらから。
エポキシレジンで花を封入する前に知っておくべき基本知識

レジンに花を封入する際は、生花ではなくドライフラワーを使うのが基本です。
なぜなら、生花には水分が含まれており、レジンと反応して変色や腐敗、硬化不良の原因となるからです。
綺麗な野花を摘んできてそのままレジンに保存、と言うわけにはいきません。
そのため、あらかじめ花を乾燥させたドライフラワーを使うのが、長く美しく残すためのコツです。
自然乾燥、押し花のようにテッシュと共に本に挟んでおく、シリカゲルに埋めるなど色々な方法がありますので
封入用の花は、しっかりと乾燥されたものを選ぶようにしましょう。
レジンで花を封入するために用意する道具一覧
作業をスムーズに進めるためには、あらかじめ必要な道具をそろえておくのがポイントです。
以下は、今回のフラワーレジン制作に必要な道具の一覧になります。
必要な道具と材料一覧
- 2液性エポキシレジン:メインのレジン液
- UVレジン:花の固定に使用(少量でOK)
- シリコンモールド:市販のものでOK。ドーム型や円形など
- ドライフラワー:よく乾燥したものを使用
- ピンセット:花の位置を丁寧に調整するために使用
- スポイトまたは割り箸・スティック:レジンを少量ずつ垂らすために便利
- エンボスヒーターまたは竹串:気泡を取り除くために使用
- UVライト:UVレジンを硬化させます。
- ガムテープまたは粘着シート:モールドの埃取り用
- 手袋、作業マット、マスク:肌荒れや汚れ防止のために着用推奨です。

私はよく100均で消耗品などを購入していますが、最初から本格的なものを揃える必要はありません!ダイソーなどで揃う道具で気軽に始めましょう!
エポキシレジンとUVレジンの違いと使い分け
レジンには主に「エポキシレジン」と「UVレジン」の2種類があります。
エポキシレジンは2つのレジン液を混ぜて、時間経過で自然に固まるタイプ。
厚みのある封入や、透明感を活かした作品に向いています。
UVレジンはUVライトで紫外線を当てることで硬化するタイプ。
少量ずつ素早く固めたい時や、表面の仕上げに便利なレジンです。
今回の記事では、エポキシレジンをベースにしながら、花の固定などにUVレジンを併用する方法をご紹介します。
市販モールドを使ってエポキシレジンに封入する方法をステップで解説!

それではここから、実際の制作工程をステップ形式で解説していきます。
市販のシリコン製のモールドを使い、ドライフラワーを美しく封入していきましょう。
STEP1:モールドの底にエポキシレジンを流して硬化させる。

まず、モールドにホコリなどが付いていないかチェックします。
目に見えなくても細かいものが付いている可能性があるので、ガムテープなどでペタペタと取り除きましょう。
見た目綺麗そうなので「やらなくても平気かな?」と思ってレジンを注ぐと、小さいホコリがレジンに浮いていることがよくあります。

綺麗になったモールドの底に、エポキシレジンを少量流し入れます。
封入するドライフラワーの厚みで、この時に入れるレジン量が変わってきます。
押し花や厚みの薄いものは、完成予定の厚みの半分より少し少ないくらいで良いです。
逆に大きめな花や立体的な封入物の場合は、最初は5mmほどに薄く流し込んで下地にしましょう。
この下地の部分は透明度を高め、後から封入する花を浮かせて見せる効果もあります。
流し込んだら水平な場所で24時間ほど置いてエポキシレジンを硬化させておきましょう。

下地がないとドライフラワーが外気に触れてしまうことがあり、劣化が早まったりしますので薄くても良いでしっかりと下地は作りましょう!
STEP2:UVレジンで花を固定し、配置を整える。

下地のエポキシレジンが固まったら、その下地レジンの上にUVレジンを薄く塗っていきます。
これは後からエポキシレジンを注ぎ込んだ時に、ドライフラワーなどの封入物が浮いたり流れて配置が変わったりしないようにするための接着剤の役割になります。
今回は全面に封入物を配置するので下地の全体に薄く塗りましたが、封入物が単体の場合は下地に触れている部分だけにUVレジンを塗ってもOKです。
ドライフラワーは基本的にレジンに浮いてしまうので、しっかりと固定しましょう!

春の道端に咲いている野花を
その上に花同士がなるべく重ならないように配置します。
このとき、ピンセットを使って、丁寧に位置を整えるのがポイントです。
もし、花びらなどを葉っぱに重ねて配置する場合は、別途UVレジンを少量塗ってから置いていきます。
今回のように小さい花びらの場合は、葉っぱの上に少量UVレジンを置いて、その上に花びらを乗せた方がやりやすいです。
位置が決まったら、UVライトでしっかりと硬化させて固定しましょう。

UVライトで2〜3分硬化させ、一度ひっくり返してみてドライフラワーが落ちないようなら大丈夫。
もしポロッと落ちてくるものがあったら、それはUVレジンに接触してなかったと言うことなので、別個にUVレジンを少量塗ってから再度硬化させましょう。
ワンポイント:各種レジンの透明度の違いについて
なお、UVレジンとエポキシレジンはそれぞれ透明度、と言いますか光の透過度が若干異なります。
これは大体の商品で「透明」とうたっているレジン液ですが、別メーカーのエポキシレジンの種類によっても、少しずつ透明度に違いがあります。
固まったエポキシレジンの中に別のレジンの塊があると両方の透明度の違いから浮き出たような見え方をする場合があります。
違うレジンでも積層になっていればほぼ分かりませんが、接着が目的の場合は目立たない箇所にするか、薄く塗っていきましょう。
STEP3:気泡防止のために少量のエポキシレジンを花にかけてなじませる。

次に割り箸やスティック、もしくは100均で売られている使い捨てスポイトなどを使って、ドライフラワーの上から少しずつエポキシレジンをかけていきます。
ドライフラワーがレジン液で濡れたような感じになったら2〜3分置いてレジン液を馴染ませます。
花全体をあらかじめレジンに馴染ませておくことで、注ぎ込んだ際に気泡の付着をある程度防ぐことができます。
私の経験では、この工程を省いた場合、花びらの裏側などに気泡が残りやすいと感じました。

ちょっとした一手間で気泡が減りますのでやってみてください!
STEP4:エポキシレジンを注ぎ込み、気泡を除去する。

花をエポキシレジンで馴染ませた後、全体にドライフラワーが完全に沈むまでエポキシレジンを注ぎ込みます。
レジンはなるべくゆっくり注ぐことで、気泡の発生を抑えられます。
モールドに添えた木のスティックやアイスの棒みたいなものに、レジン液を細く垂らしながら注ぐと気泡の発生が少なくなります。
注ぎ終わって気泡ができてしまった場合は、竹串やスティック、温風を出すエンボスヒーター(筒形のドライヤーのようなもの)で軽く表面を温めるなどで取り除いていきましょう。
主にドライフラワーの裏や、モールドの隅っこに気泡がついている場合が多いです。
モールド全体を軽く机にトントンと当ててあげると、裏側に溜まった気泡が浮かび上がったりしてきます。
モールドの隅っこにある気泡は竹串で軽く突いてやると浮いてきますので、表面まで浮いたら除去しましょう。
STEP5:しっかり硬化したのを確認してからゆっくりと取り出す。

エポキシレジンが完全に硬化したら、モールドからゆっくりと取り出します。
硬化時間は室温にもよりますが、24時間以上を目安にしてください。
急いで取り出すと、作品の表面がベタついたり、変形してしまうこともあります。
この時硬化しているか確認する時は、爪楊枝などでレジンの表面を軽く突いてみてください。
完全に固まっていれば「カツカツ」と硬い感触が戻ってきますが、未硬化の場合はレジンの表面が凹んだりします。
その場合はもうしばらく暖かくして寝かせてあげましょう。
取り出す際に、モールドとレジンの間に少量の消毒用アルコールを流し込み、馴染ませるとスルッと簡単に取り出せます。
取り出すとレジンの角が尖った状態になっていることがあります。
このままだと危ないのでヤスリやカッターナイフなどで取り除きましょう。
古くなった爪切りのヤスリ部分が使いやすく、かなり削れるのでオススメです!

綺麗に整ったらお花の封入は完成です。
思い出と共に飾っておきましょう!
エポキシレジンで花を封入する際によくある失敗の原因と対策

ここからは、エポキシレジンに封入する際によくある失敗の原因と対策をお伝えいたします。
ちょっとしたことで解決できることもありますので、ぜひ参考にしてみてください。
気泡が花びらにくっつく原因と対策
レジン内に発生する気泡の多くは、花とレジンの間に空気が入り込むことで発生します。
表から見ると綺麗でも、ひっくり返すと結構気泡があった…なんてこともよくあることです。
特に細い茎の隙間や花びらの裏側、細かい花びらの先っぽなどに空気が残りやすいため、前述の「レジンを先にかけてなじませる」方法が有効です。
お花全体にレジンで馴染ませておくと、気泡がスルッと浮き出てきて処理もしやすくなります。
また、冬などの寒い時期のレジン液は粘度が高くなり、気泡が入りやすくなります。
レジン液の温度を40℃ほどに温めてから流し込むと、スムーズに流れて気泡が残りにくくなります。
この場合、レジン液を直接火にかけるのではなく、必ず40℃のお湯で湯煎するようにしてください。
花の変色や滲みの原因と対策
ドライフラワーをエポキシレジンに封入すると、花びらの色が滲んだり薄れてしまうことがあります。
これはドライフラワーの花びら内部に、レジン液が入り込んでしまうことが原因です。
特に薄手の花びら(さくら、パンジーなど)のものによくみられます。
ドライした花びらに細かい傷があり、そこから浸透してしまう場合が多く、古い花や乾かしてから折れたりするとその部分から入ってくるわけです。
対策としては「ドライにする時になるべく新鮮な花を使用する」ことと「レジン液をしばらく置いてから注ぎ込む」ことで改善が見られます。
季節にもよりますがレジン液をしばらく安置(夏場で1時間、冬場で2時間ほど)しておくと少し粘度が上がります。
そうすることによって花びらの中に浸透しにくくなり、変色や馴染みが多少抑えられるようになりました。
ただし、あまり時間を置くと粘度が上がりすぎて、次は気泡が抜けにくくなるので注意してください。
【まとめ】花のエポキシレジンでの封入は、気泡と配置が成功のカギ

レジンで花を封入する際には、「気泡を防ぐ下準備」と「花の配置」に気をつけることが成功のコツです。
エポキシレジンとUVレジンをうまく使い分けることで、初心者でも美しい作品を作ることができます。
特に、花にレジンをなじませる工程を取り入れるだけで、気泡による失敗は大幅に減らせます。
一手間かけた分、完成度の高い作品が生まれるのがハンドメイドの魅力です。
ぜひ今回の手順を参考に、あなただけの美しいフラワーレジンを楽しんでくださいね。

花の時期が短い野草をいつでも見られるのがフラワーレジンの魅力!
それではまたっ
コメント