「エポキシレジンって聞いたことあるけど、なんだか難しそう」
「混ぜるって書いてあるけど、失敗しないか不安…」
そんな疑問を感じたことはありませんか?
実は、エポキシレジン(2液性レジン)は、初心者でも扱いやすく、透明感や耐久性が魅力の樹脂素材です。
この記事では、エポキシレジンの基本的な特徴から使い方や、安全に使うためのポイントまで詳しく解説します。
アクセサリーやアート作品、インテリアまで幅広く使える素材なので、ぜひ作品づくりの参考にしてみてください。

基本さえ覚えれば、簡単に取り扱えますし、自由の効くとても面白い素材ですよっ!

40代、花屋勤め兼レジン作家。
幼少より花好きで25年以上花屋兼植木屋に勤める。
レジンの魅力と出会ってからは主にドライフラワーを使ったお花のレジン、ウッドレジンを使った作家活動を開始。
もっとハンドメイドを楽しむ方が増えればいいなと思いながらブログを綴る。詳しいプロフィールはこちらから。
まずはエポキシレジン(2液性レジン)とは?

エポキシレジンは主剤(A液)と硬化剤(B液)を混ぜることで固まるレジンです。
2種類の液体を混ぜて固まるので、2液性レジンとも呼ばれていますね。
透明度が高く、硬化後はガラスのような質感に仕上がるため、プロの作家からも愛用されています。
最近では各メーカーから多くの種類のエポキシレジンが発売されています。
臭いの少ないものや熱が出にくいもの、普段より早く固まったりとにかく硬いなるものまで多種多様!
自分の作りたい物に合わせて選べるのも嬉しいところです。

私もエポキシレジンの透明度と自由度に魅せられて始めました。
UVレジンより大きなものが作れるのが楽しいですね!
なぜエポキシレジンが使われるのか?
UVレジンと違って、紫外線ではなく混ぜ合わせた際の化学反応によって硬化します。
そのため、UVレジンだとうまく固まらない位の厚みのある作品や、大型のレジンテーブルなどにも適しているのです。
一度混ぜ合わせてしまえば、あとは時間の経過だけで固まるのも魅力。
UVライトのように細かく固める作業が必要ありません。
エポキシレジン(2液性レジン)の詳しい使い方を解説!

基本的には混ぜる量を守って混ぜ合わせて、あとは室温を管理すればOK。
ですが、いくつか取り扱いに気をつけるべき点があります。
エポキシレジンは混合や温度管理を間違えると、硬化不良やベタつき、変色の原因になるからです。
基本的な手順の流れ
手順 | 内容 | ポイント、注意点 |
1、計量 | 主剤と硬化剤を正確に計る | 比率を守る。mlではなくgで計るのが重要 |
2、混ぜる | ゆっくりと丁寧に混ぜる | 気泡を抑えて、底や側面までしっかりと混ぜる |
3、硬化 | 20〜25℃の室温で静置 (24〜48時間ほど) | ホコリが入らないようにして安定した場所に保管 |
4、冬の対策 | 低温だと硬化時間が伸びる | 10℃以下は硬化不良の原因になる可能性があるので注意 |
1. 主剤と硬化剤をグラム単位で計量する。
メーカー毎の指定された比率に従い、重さ(グラム)で正確に計りましょう。
例:指定された比率が「1:1」の場合 → A液50g + B液50g
2. ゆっくり丁寧に混ぜ合わせる。
気泡をできるだけ入れないように、容器の底や側面も忘れずに混ぜ合わせましょう。
混ぜ残らないようにしっかりと、ムラなく混ぜるのがポイント。
3. 室温20〜25℃で安置して自然に硬化させる。
作業環境の温度を一定に保ち、ホコリが入らないようカバーをかけて24〜48時間置きます。
4. 冬場は硬化に72時間以上かかることもある。
気温が10℃以下になると、硬化速度が落ちてベタつきや硬化不良の原因になるため注意が必要です。
冬場は透明な箱に入れて日向に置いておくだけでも、内部が暖かくなり固まりやすくなります。
最初はUVレジンより手間がかかると思われるかもしれませんが、慣れてしまえばサッとできるようになります!
エポキシレジンの計量を「ミリリットル」ではなく「グラム」で行う理由とは?

エポキシレジンを使用する際、混合比率は「ミリリットル(ml)」ではなく「グラム(g)」で計測することが推奨されています。
なぜ「グラム」で計測するかという、主剤と硬化剤の重量比(水との重量比も違う)が異なるためです。
製造メーカーでは、重量比での軽量で正しく硬化するように設計されているからですね。
これを「ミリリットル」で計測すると、実際の混合比率がズレてしまう可能性がある訳なのです。
エポキシレジンの硬化は、主剤(A液)と硬化剤(B液)の正確な化学反応で進みますので、正確な計量が大切ということになりますね。
なお密度の高い液体であるエポキシレジンは水より重量が重たい液体です。
重量比はメーカーにもよって違いますが、ざっくりと1.1〜1.2程度です。(水の比重は1.0)
例えば、100mlのエポキシレジンを計測すると、約110〜120gの重さになるわけです。
200gくらいの量を作ると1gくらいは誤差ですが、完成量が20gの場合1gの計量ミスは硬化不良の可能性が出てきます。
一般的には「主材と硬化剤の計量のズレは+−1%以内」が許容範囲とされています。
大体で混ぜる量の0,5%くらいの誤差なら問題なく固まります。

できれば0,1単位で計れるデジタルの秤があるといいですね!
通販でもさほど高額ではないので検討してみてください。
エポキシレジンを使う際の計量方法とポイント

まずは1g単位(できれば0,1まで計れるもの推奨)で測定できるデジタルの秤を使用しましょう。
プラカップなどの容器を置いて「0g(風袋引き)」にしてから、主剤と硬化剤を別々に正確に計ります。
混ぜ合わせる量は作品やシリコンの型枠(モールド)の大きさで決めています。
作品を作る際、シリコン製の枠型(モールド)や容器の容量が100mlの場合、レジンは110〜120g程度必要になります。
モールドの容量に1.1〜1.2倍を掛けた量のレジン液を作ると、流し込んだ際に足りなくなるという心配が少なくなります。
計算例
例えば、150mlのモールドを使う場合、エポキシレジンの必要量は150ml×1.1=165g
余裕を持つときは150ml×1.2=180gを用意すると安心ですね。
計るのが難しい形のモールド(動物型等)の場合はモールドを秤の上に置き、中に水を入れて重さを計りましょう。
計った水の重さ×1.1倍にすると、大体の必要なレジンの量がわかりますのでやってみてください。
実際にはレジンの中に入れる封入物(ドライフラワー等)の量によっても前後しますので、臨機応変に行きましょう!

私は最初、容器の体積を計算してそのままの量でレジンを混ぜたら、微妙に足りなくて首を傾げた事がありました。
混ぜる用のプラコップに残った分で足りないのかと思ってましたが、重量比については後々知りました…。
計量についてのまとめ表です。
項目 | 内容 |
なぜグラムで計る? | 主剤硬化剤は比重(重さ)が異なるため、mlだと計量がずれやすい |
水との比重差 | エポキシレジンの比重は約1.1〜1.2倍(水より重い) |
計量方法 | 1g単位、できれば0,1g単位で計れるデジタルスケールを使用する。 風袋引き(0g)にしてなら別々に計る。 |
必要量の目安 | 必要量=モールド容量×1.1〜1.2 (例、150mlならば165〜180gほど) |
複雑な形の型の計り方 | 型に水を入れて重さを計り、水の重さ×1.1〜1.2でレジンの必要量を算出 |
エポキシレジン(2液性レジン)の選び方とおすすめ商品

エポキシレジンを選ぶときのポイントは、自分の作る作品に合った特徴のものを選ぶ事です。
とくにアクセサリーや小物を作る場合、重要なのは「透明度の高さ」と「気泡の抜けやすさ」
私もこの2点を重視して選んでいます。
レジン液によって粘度(とろみ)や硬化速度、変色しやすさが違い、初心者の方は「どれがいいのか迷ってしまう…」という方も多いのではないでしょうか。
そんなときはまず、信頼できる大手のメーカーの製品から選ぶのがおすすめです!
コスパ重視&初心者に優しい「SK本舗のエポキシレジン」

価格帯もお手頃で、「まずは試してみたい!」という人に最適!
やや粘度は高めですが、温めてから使えば気泡も問題なく抜けてくれます。
他のレジン液より硬化時間やや長め(25℃環境で30時間ほど)なのも特徴。
硬化までの時間がしっかり取れるので、ゆっくり作業したい人に向いています。
やや粘度は高めですが、温めてから使えば気泡も問題なく抜けてくれます。
このSK本舗さんは、エポキシレジンの他に複数のUVレジン、着色料、封入用のシールまで色々な商品を取り揃えています。
一度HPを見に行ってみると新しい発見があるかもしれませんね。

以前、SK本舗さんのレジンを使って遊びで作ってみたレジン製のペーパーナイフ。
強度も磨きやすさも問題なく、扱いやすいと感じました。

私も最初は「ちょっと粘度が高いかな?」と思いましたが、40℃くらいに温めてから使うと、すごく使いやすくなります。
硬化後はしっかり硬化するので、耐久性が必要な作品にも使いやすいですね。
透明感と仕上がり重視なら「フローレスレジン」

プロ作家や上級者も愛用している、大手メーカーの高品質レジンです。
粘度が低く流動性が高いため、気泡が抜群に抜けやすいのが特徴!
混ぜ合わせてそのまましばらく置いておくと、本当に綺麗に気泡が抜けています。
初心者でも使いやすく、硬化後も高い透明感が長く保たれるのも魅力的。
紫外線などでも黄ばみにくいので、長く美しい作品を楽しみたい人にぴったりです。
このメーカーでは注型用、クラフト用、コーティング用と色々な種類のレジンが売られています。
私は大きめの作品を作る際にお世話になっているので「注型用」を買っています。
このタイプは硬化時間がとてもゆっくりで、固まるまで時間がかかります(通常の倍くらい)
なお、冬場の低温化に置いておくと、本当になかなか固まりませんので推奨温度までの加温推奨です。
私は以前に、他社のレジンの熱暴走で作品をダメにしたことがありまして、それをきっかけにこのフローレスレジンに乗り換えました。
ゆっくりと化学反応が起きるので、硬化熱の発生が抑えられ厚みのある作品に向いているのです。

上の物は大体5cm×10cmサイズでざっくりと280gほどのレジン液を使用しました。
この時に約150gずつレジンを混ぜてから流し込んで行きましたが、特に熱暴走もなく綺麗に固まりました!

今のところ、フローレスで熱暴走した事はないですね。
硬化も安定していて、失敗が少ないので初心者の方や、ステップアップしたい方などに自信を持っておすすめできます!
エポキシレジン選びで失敗しないために
エポキシレジンは、見た目が似ていても粘度・硬化時間・黄ばみやすさ・使いやすさがかなり違います。
それとエポキシレジンは価格と品質が大体釣り合っている印象があります。
現在は上でオススメしているレジン液の半分以下の価格のレジン液も売られていたりします。
私も練習用として購入した事があるのですが、作品制作後の一年くらいで黄色く変色してしまったものもありました。
長く作品を楽しみたいのでしたら、大手メーカーのある程度の金額のレジン液を購入する事をおすすめします!

とはいえ安価なレジン液がダメというわけではありません。
練習や気軽に楽しみたいというのに使うのは全然有りです!
エポキシレジン(2液性レジン)の注意点と安全対策!

ここからはエポキシレジンを扱う際の注意点をお伝えいたします。
エポキシレジンは素敵な素材ですが、間違った取り扱いをすると危険なこともあります。
特性や注意点を知り、安全に楽しく扱っていきましょう!
まずはわかりやすく表をみてから詳しく説明していきます。
アレルギー反応についての注意表
項目 | 内容 | 注意点 |
混ぜる時の安全対策 | 揮発性物質を含むためマスク・手袋・換気の必要性 | 長時間の吸引で体調不良の可能性あり |
肌の影響 | 硬化前のレジン液は直接肌に触れるとかぶれなどが起こる可能性 | 必ず手袋着用!万一触れたらすぐに洗い落とします。 |
硬化後の安全性 | 完全に硬化すれば成分も無毒化、肌に触れても安全 | 未硬化の部分が残っているとかぶれの原因になることも |
熱暴走についての注意表
項目 | 内容 | 注意点 |
大量に流し込む場合 | 化学反応が一気に進み、内部温度が60℃を超えてしまう可能性 | 一回あたり100g以下に抑えると良い |
湯気・変色・焦げ臭さが出る | 硬化時の熱が急激に上がると急速な硬化、変色、匂いなどが発生する | 混ぜた後、1時間ほど置いてから注ぐと安心 |
マスク・手袋・換気は必ず使いましょう

エポキシレジンの使用時は必ずマスク・手袋を着用し、換気をしっかり行いましょう。
混ぜる前のエポキシレジンの中には、どちらにも揮発性の科学物質が含まれています。
レジン液によっては混ぜると独特なにおいがするものもあり、これを長時間嗅いでいると気分が悪くなる可能性もあります。
そして硬化前のレジン液が直接肌に触れると、人によってはアレルギー反応を起こす可能性がありますので、しっかりと対策をしましょう。
エポキシレジンは完全に硬化すれば有害な揮発成分はなくなり、安全に触れることができます。
メーカーによっては「食品衛生法適合」の許可が取れているものもあるので、直接食べ物に触れる食器を作る事ができるくらい安全です。
ただし、未硬化部分が残っていると皮膚刺激の原因になるため、しっかりと硬化させることが大切です。

私は冬場でも窓を少し開けて換気するようにしています。
これだけでもだいぶ違ったりしますよ!
一度に大量のエポキシレジンを混ぜると危険な事も!

一度に大量のエポキシレジンを混ぜたり、容器に流し入れたりすると、急激に熱を発して煙や急な硬化が起こる事があります。
エポキシレジンは、主剤と硬化剤が化学反応を起こして発熱しながら硬化していきます。
この際にレジンの量が多いと化学反応は一気に進みやすくなり、温度が急上昇する「熱暴走」が起きるのです。
私は昔、150gのレジン液を別々に3回混ぜ合わせて、四角形の容器に流し込んで行ったら突然に湯気が出てきてビックリしました!
めちゃくちゃ慌てて、バケツに型枠の2/3くらい浸る程度の水を入れて冷却を試みました。
結果として湯気は止まりましたが、レジン液、内容物の両方が変色してしまい泣く泣く処分しました…。
これは立方体などの厚みの大きい容器に一度にレジンを流し入れると化学反応の際、レジン液中心の熱が逃げ場がなくなってしまうためです。
外部に接している部分は外に熱が逃げるのですが、熱の逃げ場がなくなった中心部の化学反応の熱が上がり続けます。
そして内部温度が60℃以上になると熱暴走を起こしてしまうのです。
こうして湯気や煙、ビニールが焦げたような匂いが出てきたり急速に固まったりしますので、レジン液を混ぜる際は一回あたり100g程度にすると安全です。
大きな作品で多くのレジンの量を使う場合は、混ぜ合わせてから1時間ほど置いて、化学反応がある程度落ち着いてから注いで行きましょう。
この1時間で気泡も抜けるので一石二鳥です!
または、熱暴走を起こしにくいゆっくり固まるタイプのエポキシレジンも売られています。
大型の作品を作る際はそちらを選択するのが無難でしょう。

真夏のような気温、湿度が高い季節は熱暴走を起こしやすいです。
心配な場合は扇風機などで風を当てる、底に敷くものを熱が逃げやすいものにする(金属など)と対策をしていきましょう!
まとめ、エポキシレジンは扱いやすく、表現力の高い魅力的な素材!

エポキシレジン(2液性レジン)は、透明度や耐久性に優れた樹脂素材です。
基本の計量・混ぜ方・温度管理を守るだけで、初心者でも美しい作品を作ることができますよ。
また、作品のサイズや用途に合わせたレジン液を選ぶことで、より自由な表現も楽しめます!
ですが安全に使うためには、マスク・手袋・換気の徹底が重要。
失敗を恐れずに、少しずつ慣れていくことでレジンの魅力を存分に味わえるはずです。
あなたの作品づくりに、ぜひエポキシレジン(2液性レジン)を取り入れてみてください!

上手くできた時は本当に嬉しくて楽しいですよ!
それではまたっ
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