レジンを使った作品づくりに集中していると、ついうっかりレジン液が手についてしまうことがありますよね。
「固まる前のレジン液が指についてしまった!」
「石鹸で洗っても全然落ちない…」
そんな経験は、ハンドメイド初心者さんには一度はあること思います。
実は、レジンは水や石鹸では落ちにくい性質があるため、正しい落とし方を知らないと手肌を傷つけてしまう恐れもあります。
この記事では、家にあるものでレジンを落とす方法と、やってはいけない落とし方、肌を守るための注意点を丁寧に解説していきます。

40代、花屋勤め兼レジン作家。
幼少より花好きで25年以上花屋兼植木屋に勤める。
レジンの魅力と出会ってからは主にドライフラワーを使ったお花のレジン、ウッドレジンを使った作家活動を開始。
もっとハンドメイドを楽しむ方が増えればいいなと思いながらブログを綴る。詳しいプロフィールはこちらから。
手にレジンがついた!その際にやってはいけないこと

レジンが手についたときは、焦ってゴシゴシとこすり取ったり、水で流したりしたくなるかもしれません。
ですが、まずは落ち着いて、以下のような「やってはいけない行動」を避けましょう。
レジン液が水や石鹸では落ちない理由
結論から言えば、レジンは普通の石鹸では落ちません。
その理由は、レジン液の性質にあります。
UVレジンやエポキシレジンの主成分は、油性の合成樹脂(アクリルやエポキシ)です。
これらの樹脂は、油に近い構造をしており、水や石鹸では溶けない性質を持っています。
例えるなら、「油性ペンのインクを水で洗い流すのは難しい」のと同じようなものですね。
ですので、水や石鹸で何度洗ってもレジンは取れず、肌をこすることで逆にダメージを与えてしまいます。
無理にこすらない!肌を傷めないための注意点
レジン液が落ちにくいからといって、爪や硬いものでこすり落とすのはNGです!
強くこすると皮膚の表面が傷つき、炎症やかゆみ、場合によってはレジンアレルギーを引き起こす可能性もあります。
特に繰り返しレジンに触れていると、肌が敏感になってしまうこともあるため注意が必要。
焦らず、次に紹介するような「家にある安全なアイテム」で、やさしく落とすのが大切です。
家にあるものでできる!レジンの落とし方おすすめ4選

ではここからは、家にある身近なアイテムでレジンを安全に落とす方法をご紹介します。
レジン落としの専用の溶剤も売っていますが、家に置いてあるアルコールや除光液などで十分対処できます。
まずは4つの方法を表にしましたので、次から細かく解説していきます。
方法 | 特徴 | 注意点 | 肌への優しさ |
消毒用アルコール | 最近は身近にあり扱いやすい 揮発性あり | エタノールの濃度に注意 保湿ケアが必要 | やや優しい |
除光液(アセトン入り) | 強力な溶解力でレジンを溶かせる 多少硬化してても効果あり | 肌の乾燥と刺激が強い スキンケアが必須! | やや刺激的 |
食器用洗剤 | 肌に優しく、軽い付着なら落とせる | 硬化後は効果が薄い | 優しい |
クレンザー | 軽く擦ればかなり落とせる 研磨剤入りなので刺激が強い | 強く擦らないこと 最終手段として使用 | 刺激が強い |
消毒用アルコール(エタノール)で落とす方法

レジンが手についた直後なら、消毒用アルコール(エタノール)がおすすめです。
ちょっと前の流行病の影響で必須アイテムとなっていたものなので、家に一つはあるのではないかと思います。
使いきれずに残っていたものをそのまま使って貰ってOK!
アルコールには未硬化レジンを溶かす性質があり、肌への刺激も比較的少なめです。
ティッシュやキッチンペーパーなどにアルコールを染み込ませ、レジンが付着した部分をやさしく拭き取りましょう。
ちなみに、一番レジンが落ちやすいのは無水エタノールです。

でも、無水エタノールを家に常備しているってことはあまりないと思います。
結構値段がお高かったりしますしね。
また、皮膚の他に机等などに使用する場合は、アルコール(エタノール)の含んだウェットティッシュなどを使用するのもいいでしょう。
手についたレジンを落とす際には、強すぎる消毒液やエタノール濃度が高すぎるものは避け、肌への刺激に注意しながら使用することが大切です。
拭き取った後は、石鹸で手を洗い、ハンドクリームなどで保湿しましょう。
消毒用エタノールでレジンを落とす際の注意点
エタノールは、未硬化のレジンを溶かす性質があり、レジンを落とすのに有効です。
ですが、すべての「アルコール」や「○○エタノール」と書かれたものが同じように使えるわけではありません。
成分表示にある「○○アルコール」は代用できる?
化粧品の成分表にある「ベヘニルアルコール」「イソステアリルアルコール」などの「○○アルコール」と表記されているものがあります。
これらは脂肪族アルコールという高級アルコール類と呼ばれるもので、乳化剤や柔軟成分として配合されています。
これらは揮発性がなく、溶剤としての作用はありません。レジンを落とす効果は期待できないため、代用にはなりません。
フェノキシエタノールはレジン落とせるの?
フェノキシエタノールは主に防腐剤として広く化粧品に使用される成分です。
固形石鹸、クレンジングなどに使われていて、メイク落としとかの成分にも含まれています。
石鹸とかメイク落としだと、レジン落としにも効きそうな雰囲気ですが、残念ながら使えません。
名前に「エタノール」がついていますが、化学構造も性質もエタノールとはまったく異なります。
少量では揮発性や溶解力はほとんどなく、レジンを溶かす効果もありません。
使用するのは「消毒用エタノール」と明記されたものに限る
レジンを落とすためには、成分表の中に「エタノール(消毒用エタノール、エチルアルコール 70~80%)」と表示されたものを使用してください。
化粧品や雑貨の「○○アルコール」やフェノキシエタノールでは代用できません。

改めて探してみると〇〇アルコールって結構たくさんありますよね!
除光液(アセトン入り)で落とす方法

レジンがある程度硬化してしまった場合でも、除光液(ネイルリムーバー)を使えば落とせる場合があります。
中でも特に落としやすいのが成分内に、「アセトン」が含まれている除光液です。
アセトンは強力な溶剤で、硬化したレジンの樹脂成分を一部溶かす作用があります。
そのため、しっかりとした汚れも比較的短時間で除去しやすくなります。
ただし「よく落ちる=成分が強い」ということでもあります。
アセトンは皮膚の油分や水分も一緒に取り除いてしまうため、肌が乾燥しやすく、刺激になりやすいという面があります。
使用後は、必ず石鹸とぬるま湯で洗い流し、保湿ケアを行うことが重要です。
ハンドクリームや保湿オイルなどでケアしておくと、手荒れを防げます。
ノンアセトンタイプの除光液でも効果ある?

除光液にはアセトンが含まれていない「アセトンフリータイプ」もあります。
アセトンフリータイプは、肌への刺激が抑えられている反面、アセトン入りに比べてレジンの除去力はやや劣ります。
とはいえ、軽い汚れやレジンが薄くついている程度なら十分に効果がある場合もあります。
そのため、肌が敏感な方や、アセトンの使用に不安がある方は、まずアセトンフリータイプで試してみるのがおすすめです。
アセトンフリーの除光液は、アセトンを含まない分多少肌に優しいですが、そもそも除光液は本来は皮膚に使用するものではありません。
そのために使用後のスキンケアは大事ということです。

除光液は効果が強いので使用後はしっかりと手洗いと保湿はしましょうね。
食器用洗剤で洗って落とす方法

軽くレジンが付着した程度であれば、自宅にある食器用洗剤を使って落とすことができます。
やり方はとてもシンプルです。
ボウルなどにぬるま湯をため、そこに手をしばらく浸しておきます。
そのあとで、食器洗い用の中性洗剤を使って、レジンが付いた部分を優しくなでるように洗いましょう。
皮膚の表面に薄く広がっているレジンや、硬化前のものが少し付着してしまった程度であれば、これだけで落ちることもあります。
肌をこすりすぎないように注意しながら、ぬるま湯と洗剤で数回洗うと、徐々にレジンが落ちていきます。
もし落ちにくいと感じた場合は、無理にこすらずにアルコールや除光液などと併用する方法を検討してください。
肌へのやさしさを優先したい方には、まずこの方法から試してみるのがおすすめです。

一番肌に優しいので、敏感肌の方はまずこれで対処してみて、落ち切らないようでしたら他の方法も試してみましょう!
クレンザーでこすって落とす方法(※手荒れ注意)

少し意外かもしれませんが、台所とかで使うクレンザー(クリーム状の研磨剤入り洗剤)も軽度のレジン汚れに効果があります。
スポンジや布にクレンザーを取り、手についたレジンをやさしくこすってみてください。
ただし、研磨成分が入っているため手荒れのリスクが高く、ゴシゴシこすらないことが大前提です。
肌が敏感な方や、長時間作業後の疲れた手にはおすすめしません。
どうしても他の方法で落ちない場合の、最終手段くらいに考えておきましょう。
使ったあとはしっかりと洗い流し、ハンドクリームなどで保湿ケアを必ず行いましょう。
レジンが手につかないためにできる予防策
ここからは、そもそもレジンが手につかないための予防策をご紹介します。
作品づくりの快適さにもつながるので、ぜひ参考にしてください。
ニトリル手袋などの保護具を使おう

もっとも確実な予防方法は使い捨てのニトリル手袋の着用です。
ニトリル手袋はレジンに強く、破れにくいため、手をしっかりと保護してくれます。
フィット感も良く、細かい作業にも向いています。
作業前に着用するだけで、手につくトラブルを大きく減らせますよ。
100均のものでも十分効果を発揮しますので、ぜひ試してみてください。
作業環境を整えて、うっかりミスを防ぐ

レジンが手につく原因での多くは「うっかりミス」です。
作業に集中していて、つい手が当たってしまいレジン液のカップを倒してしまったという経験がある方もいるのではないでしょうか。
作業台の上を散らかさずに片付けておく、レジン液をこぼさないようにゆっくり注ぐなど、作業環境の見直しも効果的。
個人的にはプラコップからモールドへレジンを注ぎ終わった時に、垂れるレジン液をティッシュなどで拭き取る時が多いです。
その際にうっかり肌に触れたり、机に垂れてしまうケースが多いのではないでしょうか。
そのため、手袋の着用、ティッシュと取りやすいところに置く、拭き取ったティッシュを机に放置しないを心がけています。
また、換気を徹底することも肌や呼吸器を守るために重要です。
レジンは完全硬化すれば安全ですが、それまでは気化した成分が刺激になる可能性があります。
少し窓を開ける、換気扇の使用も積極的に取り入れていきましょう。
【まとめ】手についたレジンは正しく落として、肌を守ろう!

レジンが手に付着しても、焦らず落ち着いて対処すれば問題ありません。
石鹸や水では落ちにくい性質があるため、エタノールや除光液、食器用洗剤などの家にあるもので落とすのが効果的です。
ただし、レジンの状態(未硬化・硬化)や肌質に合わせて、適切な方法を選ぶことが重要です。
また、落とす際の摩擦や溶剤によるダメージを防ぐために、作業前からの予防(手袋の着用・換気)も大切なポイントです。
大事な手を守るためにも、レジン液の落とし方と予防策をセットで実践しながら、これからも安心・快適なレジンライフを楽しみましょう!

自分の手を大切にしながら、安心・安全なレジンライフを楽しんでいきましょう!
それではまたっ
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